「ホームレス農園」河出書房新社 著者 小島希世子
1.要約 この本は、「ホームレスをファーマーへ」という前例のない“職と農をつなげる”活動を行っ た筆者のドキュメンタリーです。ホームレスと農業がどのようなつながりがあるのか想像 がつかず、それぞれがどのような影響を及ぼし合うのか興味を持ったのでこの本を選び ました。タイトルの「ホームレス農園」という呼び方は、ホームレスが社会復帰に向けて働 く農園だということからきているようで、この活動を通して、意欲のある農業者を多く輩出 できたら、日本中の田畑に若い働き手が増えることが予測されます。さらには、若い発想 力とパワーで、農業界に新しい可能性が開かれることが期待されていました。私は筆者 の就農プロジェクトには、ホームレスと農家の双方にとってメリットがあることが斬新で素 晴らしい考えであり、人手不足である農業にホームレスを雇うことは日本の雇用問題に も一石を投じるに違いないと考えました。しかし、現実問題として、生活困窮者を就農に つなげる取り組みは、困難な課題です。ホームレスには「越冬」問題や、心がとてもナイ ーブな人が多い問題などの様々な課題を抱えています。筆者はホームレス問題や雇用 問題のプロではないので、未知の分野に踏み入り、開拓するには時間と労力がかかりま す。たくさんの困難な課題があるがゆえに、現実に引きずられて自分の目的や描く未来 が見えなくなることもあります。しかし、本来の目的を見失わずに自分のフィールドで、自 分の使命・役割を果たしていくことが重要です。私は農業班において、自分自身の使命・ 役割を見つめなおし、達成できるよう努力したいと思いました。
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