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執筆者の写真agritanogyo

2019.11 日本語論文

論⽂・書籍名: 井上智代 & 渡辺修⼀郎(2015)「農村における健康に資するソーシャル・キ ャピタルの質的分析」⽇本農村医学会雑誌, 63(5), 723-733.

【要旨】 集落に存在するソーシャルキャピタルが、活動主体である住⺠にどのように作⽤し活動 が展開したのか要件を明らかにするため研究された。そこで、2007 年から 2008 年までの 間に、岩⼿県⻄和賀町にある集落の住⺠に対して聞きとり調査を⾏なった。集落の⼈⼝は 130 ⼈で世帯数は 48 ⼾である。⽐較的農業の維持や継続がされていて、集落内には温泉施 設や、農産物加⼯所、廃校を利⽤した体験学習施設などがある。⾃然や伝統⾏事も継続され ている。世代・性別などで婦⼈会や⽼⼈クラブなども存在し、⼈が集まっている傾向もある。 維持・活性化に関わる 2 つの活動である①コンサートイベントと、②旧⼩学校の再利⽤ に注⽬している。①は、オーケストラのコンサートをボランティアで⾏う事業である。集落 内外からは 400 ⼈ほどの聴衆が集まり、村の⼈々の誇りとなっている。開催にあたって、 周辺地域への情報交換名だが盛んに⾏われた。②は、2000 年に⼩学校が廃校になり、わら 細⼯加⼯やソーセージ作りができる体験施設となった。報道されたことにより、ホテル関係 者などからの寄付により、宿泊施設も備わった。(学⽣のサマー・ウィンタースクールなど に使⽤)現在の運営・管理は⼀部の住⺠のみとなっている。開設にあたり、婦⼈会のネット ワークが活躍したが、男性のネットワークは関係していなかった。 分析や調査の結果、「情報流通役」のような普段からの付き合いが、活動を円滑に進める ために重要であるということがわかった。そして、その⼈は集落内の適任者を活動に参加さ せるための社会的ネットワークを持っている可能性がある。また、イベントや事業などを⾏ う際は、住⺠とのネットワークが希薄な⾏政が判断を⾏うのではなく、集落の住⺠で他の住 ⺠とも強固なネットワークを持っている住⺠⾃らに実現可能性を判断させることが重要で あることがわかった。

【感想】 この論⽂を読んで思ったことは、この集落の周辺(施設や継続されいる⽂化など)が後川 と似ているということである。しかし、この地区では廃校になった⼩学校を活⽤できていた り、住⺠同⼠のネットワークも区⻑に⾜りない部分を誰かが補ったりしていた。今後、後川 を盛り上げていくには、私たち外部からのイベントを⾏うだけなく、地域の⼈と協⼒してそ のイベントを作っていくことが重要だと感じた。そのために、地域の⼈のネットワークがど うなっているのかなどを、集落の会議に参加して知る必要があると感じた。今後も、より地 域の⼈に寄り添えるように政策を考えたり、準備をしていきたい。ワークショップなどで住 ⺠の意⾒交換や、私たちが住⺠の思いを知ることも重要なのだろうと思った。

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