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執筆者の写真agritanogyo

2020.1 日本語論文

住民生活満足度の地域間格差に影響する要因——山形と山口の市町村データによる共分散構造 分析——. 地域学研究, 40(1), 129-141. 著者 國光洋二. (2010).

1.要約 山形と山口における県内の全市町村(2003年時点)を使用して、住民生活満足度の地 域格差に影響する経済的要因と社会的要因の相互関係をモデル化して、生活満足度に 対する直接的影響と間接的影響を定量化する。先行研究でも、地域情報インフラ整備 の地域振興効果に関する分析、書籍購入行動に与える影響の分析等、様々な社会的事 業を対象に因果関係のモデル化が試みられている。しかし、筆者の知る限り住民満足 度の地域間格差に関しては、分析事例が見当たらない点もこの論文では課題とし、取 り組んでいる。 使用したデータに山形と山口を選定した理由は3つある。1つは、平均所得、ソーシャ ルキャピタルの水準が日本の中で平均的であるから。2つ目に、統計データでみて中 位層に位置する県は、市町村間の比較が困難となる可能性が低いから。3つ目に、東 日本と西日本それぞれに属する県を対象に分析することにより、地域性を超えた一般 的な傾向として説得力を持つと考えられるから。 推定の結果から、 経済水準とソーシャルキャピタルは、生活満足度を高める要因であるが、この両者は トレード・オフの関係にある。ソーシャルキャピタルの水準の維持は、経済格差と同 様に重要な政策課題と言える。 公共施設整備の評価は生活満足度を高める方向に影響する。住民のニーズにあった施 設を整備したり、住民の意見を取り入れた設計を行うことにより、公共施設の量より 質を高める工夫が重要。 生活満足度を高める要因には、経済水準、ソーシャルキャピタル、公共施設整備が挙 げられる。経済水準と公共施設整備は直接的に影響するが、ソーシャルキャピタルは 他の変数を迂回して間接的に生活満足度に影響を与える。 ということがわかった。

2.感想 この論文を読み、私たちは後川の方々の住民生活満足度の要因を調べることで、地域 の方にあった政策を考えていけるのではないかと思いました。私たちが考えた政策を 行うことも重要ですが、地域の方にとって何が一番必要なことなのかを考える必要が あると思いました。量より質とあるように、住民の方々と向かい合って、政策を考え ていきたいです。

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