Art&Design を活かした地域創生手法に関する研究 -1 第1報 - 地域創生デザイン学の確立のためのTSS研究 酒井 正幸, 蓮見 孝, 城間 祥之, 上遠野 敏, 中原 宏, 原 俊彦 札幌市立大学 デザイン学部
◎要約 近年の日本の少子高齢化と大都市への一極集中による過疎市町村の限界集落化が、急進す る問題に対し、本研究では「タイム・スペースシェアリング型地域連携」(以降 TSS)によ って、地方都市を活性化することを目的とし、本稿では北海道の札幌市と壮瞥町で実施した 居住体験実証実験等の報告である。 研究は、教育・実践的活動と研究・理論化活動の2側面について 3 年間で実施するもので、 平成 25 年度の教育・実践的活動は、「大都市が有する魅力の明確化」「過疎市町村が有する 魅力の明確化」を目的に、対象地域内での Art&Design を活かした地域創成活動とその記 録がまとめられている。 研究的・理論化的活動の内容は、「地域創成に役立つ Art&Design の力」「地域創成のキーと なる要素」「地域創成の段階とステークホルダーの役割」の明確化・北海道の大都市と周辺 地域に在住する住民の意識の明確化を目的に大規模アンケート調査に基づき、地域創成の キーとなる「人(ヒト)」「事(コト)」「場(バ)」「物(モノ)」の4要素を仮説として構築 するに至り、地域の活性化を分析するために有益であると結論づけた。
◎感想 地域創生活動を「丹波篠山後川」地区を拠点に行う私達だが、年の瀬を目前に自分たちの活 動の振り返り、又来年度に向けての計画・目標設定の時期を迎えている。それと共に、地域 創生の要素の多面性・複雑さを痛感する。そんな中で本論文は、要素を分解して、優先すべ きことや考え方の整理をするヒントになったと感じている。地域創生において、その地域に 住む人々の要望を叶えることは勿論重要であるが、自身の成長・そのためには何を取り組む べきか、その上でその地ならでは魅力は何か等、多面的に考えることは重要性である。 今後の活動の方針を考える際に、参考にしていきたい。
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