木下斉(2016)「地方創生大全」東洋経済新聞社 【要約】 著者は、地方再生・活性化の取り組みには、「何に取り組むか=事業」、「限りある資源 をどう活用するか、足りない資源をどう集めるか=資源(ヒト・モノ・カネ)」、「どう取り 組むか=組織」の 3 つの要素があり、これらがすべて機能して、初めて成立するものである と述べています。そして、事業、資源、組織というこれら 3 つの要素について、5 つの観点、 つまり(1)ネタの選び方、(2)モノの使い方、(3)ヒトのとらえ方、(4)カネの流れの見方、(5) 組織の活かし方から、地域創生の課題を整理していました。 主な要点は 5 つあります。 ① 「地域活性化の先進地域で行われている取り組みを、そのまま自分たちの地域で導入しよう としても失敗するだけである」 ② 「地方だからこそ、他の地域と異なることに取り組んで需要を開拓していくべきだ。そ のためには成果重視の評価制度を導入し、新たな取り組みを推奨するべきである。」 ③ 「都市から地方へ人口を移動させるという発想では、地域活性化には結びつかない。」 ④ 「地域活性化のために必要なのは、短期的なカネではなく、継続的に稼げる仕組みだ。」 ⑤ 「地域の人が自ら考え、実践し、失敗から学んで再挑戦することで、はじめて地域の課 題を解決しうる知恵は生まれる。」 【感想】 「地域活性化の先進地域で行われている取り組みを、そのまま自分たちの地域で導入し ようとしても失敗するだけである」という言葉にハッとさせられました。このことは当たり 前のことのように思われますが、実はとても難しいことのように考えます。多くの人は、ほ かの地域で成功していることをどうしても試してみたいという気持ちになってしまいます。 その例がくまモンや PR 動画なのかもしれないと思いました。ある地域では流行ったもので も、他の地域で振興する頃にはもう遅くなっているかもしれないし、そもそもその地域に求 められているものは 1 つ 1 つ違うから、という理由を考えました。 そのように考えて、今年の農業班の活動指針の一つには、「新しい地域活性」というも のをあげています。刻一刻と変化する時代において、後川地区が求められているものは、他 の地域のものとは違い、また、数年前とも違うと考えます。そのようななかで、今、地域内 外の人が求めているものは何か、そして私たちはどうやったら一緒に後川を盛り上げられ るのか、適切に見極めたい、そういう願いをこめてこの指針を取り入れました。自分達、そ して後川の方と 0 から作っていくので、難しいものだとは思いますが、後川に寄り添って、 活動したいと考えます。
top of page
bottom of page
Comments