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執筆者の写真agritanogyo

2020.4 書籍

山崎義人、佐久間康富著『住み継がれる集落をつくる』学芸出版社

地方消滅が懸念され、人口獲得競争の状態が地方にはあります。その中でいかにそれらの地方 を守り、受け継がれていくのかを書いた本です。 本書では 4 つの方法を紹介しています。 まず 1 つ目は、「部分貸し」による空き家活用です。空き家の利活用が進まない理由として仏壇 があること、所有者の荷物が残っており片付けられないことなどが指摘されていますが、部分貸 しによって必要な部屋、施設のみ貸し出すことで解決できます。これに広島 県小佐木島・百島 はアートプロジェクトを利用して空き家の利活用が進みました。 2 つ目は「2 拠点居住」です。気候条件への対応や新しいライフスタイルとして、2 つの場 所の 暮らしを楽しむ動的な居住の可能性が伺えます。 3 つ目は「通い」の可能性です。常住住民を核としながらも、他出者、外部の支援者がご縁のあ る地域を住み継いでいる事実と、その可能性が確認できました。 4 つ目は「移住」です。しっかり地域住民と中間支援組織などの力を借り、地域全体で移住者を 受け入れる仕組みが必要です。 ☆集落を守るために必要な条件 ・「地域コミュニティと中間支援組織の関与」 ・異なる他者がかかわりあうこと ・多様な分野の連携による総合的な枠組み これらを利用して、篠山市の事例も本書では書かれているので紹介します! ◎兵庫県篠山市丸山集落 活用方法:「空き家を農家民泊にする」 内容:空き家を改修する一方で風呂、トイレ、キッチンなどの水回りは現代のライフスタイ ルに 合わせます。裏山で取れるイノシシや鹿、地域で取れる野菜などが提供され、しめ 縄づくりを はじめとする生活文化をテーマとしたワークショップにより「集落の暮らし」が体 験できるよ うになっているのです。 効果:空き家の再生だけでなく、地域の食、地域の暮らしや生業が再生されています。ま た、集 落外から人が訪れることは住民の生きがいになるし魅力や資源の再発見にもなり ます。これに より放置していたお茶や山椒も収穫されるようになり、外部にもとりあげら れ、住民の誇りに なっています! なぜこんなことができているかと言うと、時間の融通がきく集落住民がスタッ フとなることで不定期な勤務でも事業が継続できるのです! 「地域の関わり方は多様性があっていい!」と私は感じました。たとえ通いとしてでも地方 に関わることはできるし、自分たちだけでの運営がしんどければ地域外の人が運営すれ ばよい。 むしろそれで地域外の人が関わってくれればそこから交流が生まれ、無理のない持続可能な地 域になってくると思いました。 楽しく、無理がなく地域らしさを活かすことで希望を与えられ るように、自分たちが活動することで地域に関わる良さを伝えて行きたいと思います。

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