地域特産品の販売経路としての「直売所」「道の駅」の特徴とマーケティング対応
清野 誠喜
東北農業研究 別号(Tohoku Agric. Res. Extra Issue) 14,13-212001)
概要
消費者が「地域特産品」としてイメージする具体的な商品としては「食品」が最も多く、8割以 上が回答している。 消費者が 「地域特産品」に抱くイメージと、「地域特産品」 として具体的にイメージする商品の関係をコレスポンデンス分析の結果によりみると、 「野菜等の農産物」 と 「食品」は同じBグループ に分類される。 さらにBグループ内の樹形図を ブレイクダウンすると, 「野菜等の農産物」 では 「素朴さ」が、「食品」においては 「手作り」や「限定品」といったイメージでとらえられていることがうかがえる。消費者が「地域特産品」としてイメージする具 体的な商品としては 「食品」が最も多く、8割以 上が回答している。「直売所」「道の駅」 を利用する消費者 の顧客満足度を高めるためには, 「地域特産品」 が重要な役割を演じる。 中山間地域における特 産品開発・マーケティング活動を展開するにあ たっては,こうした 「直売所」「道の駅」などを 地域マーケティングチャネルとして位置づけることができるか, が重要となる。こうした地域マーケティングチャネル やローカルなマーケティング活動を通じた消費 ニーズの吸い上げとその検討を、 定量・定性的な アプローチから行い, 商品開発に結びつける努力が地域農業には求められる。
感想
この論文では、マーケティングの観点から道の駅や直売所に対する消費者のニーズを導き出し、消費者が何を求めて「スーパーマーケット」ではなく「産地直送」に買いに来るかということが少しわかる論文であった。
しかしながら、この論文は生活の中に自然に溶け込む「日常にとしての消費」として産地直送をとらえている節はあまり伺えず、地域差や浸透度によって、「産直」の位置付けには差があることが伺い知れた。
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