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執筆者の写真agritanogyo

2021.9 日本語論文

更新日:2021年10月10日

道の駅における農産物直売が地域の農家に与える影響

服 部 俊 宏  今 井 敏 行

農 業 土 木 学 会 誌 第72巻 第11号 Jour. JSIDRE Nov. 2004


◎要約

道の駅 は,平 成5(1993)年 に建 設省 によ り創設 され た 事 業 であ る。発足 当初103カ 所 か らス ター トした道 の 駅 は,平 成15年8月8日 の 第19回 登 録 後 に は全 国 に 734カ 所 を数 え るまでに増加 してい る。 道 の駅 は,「 休 憩機 能」,「情報発 信 機 能」,「地域 の 連 携 機能」 の3つ の機 能 を併せ持 つ休憩施設 として整備 さ れ る。 この うち,情 報発信機 能や地域 の連携 機能が具体 化 した もの と して,特 産 品の紹 介 ・販売,特 に農家 に よ る農産物 の直売が多 くの道 の駅 にお いて見 られ る。 これを農家 の側 か らと らえる と,道 の駅 にお ける直売 とい う新 た な販売 チ ャンネルの構築 と,そ れ によ りもた らされる多様 な交流 か ら,さ まざまな影響 を受 けてい る こ とは確 かで ある。 これ は見 方 を変 える と,生 産者 と消 費者 との交流 とい う形で の農村 と都市 の交流で ある とい うこ とがで きる。

そ こで,道 の駅 にお ける農 産物直売へ の参加 によ り生 じた,直 売参加者 と消費者 や直売参加者 同士 と の交流 をは じめ,売 上 の増加,収 入源 の多様化 な どが地 域 の参加 農家 に,ど の よ うな影響 を与 えてい るか を明 ら か に してゆ く。

青 森県 内 に は現 在,25カ 所 の 道 の駅が 開設 され てい る。 その うち,3カ 所 を除 く22カ 所 の道の駅 で 農家 に よる農産物 の直売が実 施 され ている。道 の駅 関係 者へ の聞取 り調査 による と,こ れ らの道の駅の うち道の 駅 の制度創設直後 に登録 ・開設 され た もの には,道 の駅 とい う制度 を前提 とせず に計 画が進行 してい た。

1.集 客機会 の多 い都 市近傍 や幹線 道路沿 線 に立 地 してい る こと

2.高 額 で宅配便 による発 送 も期待 で きる果 樹 の 産 地 で あ る こ と

3.売 れ 筋 情 報 の フ ィー ドバ ックや,欠 品管理 な どが しっか りしてい る参 加組織 の運営 であ ること等が売上増につながる。

道 の駅 での直売 の参加 は,直 接 には規格外 品の出荷 促 進 な どを通 して,売 上 の増 加 と して農家 に影響 を もた ら す。そ の結果 として,作 付 面積 の増加 や新品種 の導 入 な どを もた ら してい る。 また,収 入源 の多様化 は,農 家女 性 の経 済力 の 向上 をもた らし,そ れ に よ り家庭 内の地位 向上 とい う影響 を農家 内部 に及 ぼす 。そ して,消 費者 と の交流 や生産者相 互の交流 の拡 大 は,消 費者ニ ーズの把 握,や りがいや競 争意識 の増大 を通 して,売 上 の増加 と 同様,作 付 面 積 の 増 加 や 新 品種 の 導 入 な ど を もた ら して い る 。


◎感想

舞台が青森の話で、野菜といいながらも、メインはリンゴであるのかなと言う表現もいくらか見られた。自分たちがフォーカスしているのは生産者と、道の駅というわけではないので、消費者のイメージをしっかりと確立させていきたい。それを以て、生産者の方々にプラスになるような分析が行えればと思う。

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