「移動コストによる地域連携活動の限定性と支援課題」『農林業問題研究』第50巻第2号, pp119-124,著者 内平隆之, 中塚雅也
1.要約 大学・大学生との連携による地域再生の取り組みが全国に広がっている。少子高齢化 や過疎化が進む厳しい農山村に、大学・大学生の知識と若い力を入れることにより、 地域の活力を再生しようというのが狙いである。 現在、取り組まれている農山村と大学・大学生との連携活動は、その特徴や課題か ら、「交流型 」「価値発見型 」「課題解決実践型 」「知識共有型」の4つのタイプ に分類することができる。 そして、各活動内容と移動コストの間には一定の関係性があり、活動内容に向き不 向きがあると考えられる。 課題解決型は、グループで相互往来し,地域の課題解決を実践する活動類型であ る。そのため、移動コストが低 いことが利点となる。 交流型は、グループ単位での頻繁な往来を通じて地域づくり活動支援や援農などを 展開している類型である。農作業や村仕事など、グループ単位での安定的なマンパワ ーの提供が期待されるため、移動コストが低いか、中程度の地域との連携において実 現されやすい。 知識共有型は、教員の頻繁な往来により専門課題を解決している類型である。個人 単位での往来であるため、グループ単位での活動に比べて、移動コストが高くても実 施可能である。 価値発見型は、新たな視点から地域の価値を発見し、いわば地域の起爆剤となるよ うな活動類型である。集落側が主体となって取り組む地域活性化の契機を求める場合 に適しており、移動コストが高くとも、やり方次第では 3 ~ 4 回の往来でも成功が 期待できる。 このように、地域連携活動の内容は、移動コストに応じて選択される必要があり、 ここに地域連携活動の限定性がある。
2.感想
3.〇〇
〇.その他
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